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Yui Onoderaは東京を拠点とする作曲家/サウンドアーティスト/サウンドスペースデザイナー/クリエイティブディレクターであり、実験的なアンビエント、電子音楽、エレクトロアコースティックの境界を横断する活動を展開しています。彼の実践は、「音がいかにして空間を構成するか」という問いへの関心に根ざしており、それは物理的にも心理的にも空間をとらえる視点とつながっています。建築音響の専門的なバックグラウンドをもつ彼は、作曲行為を空間設計の一形態として捉えており、フィールドレコーディング、楽器のテクスチャー、デジタル処理を有機的に融合させ、深い空間性と瞑想的な感覚をもつ音響世界を創出します。そこには、自然、構造、時間の静かな交錯が表現されており、創作の中核には、「反復と変容」「翻訳と喪失」という2つのキーワードが据えられており、ミニマリズムや自然のプロセスに着想を得ながら、静謐で緊張感のある音色と質感の微細な変化を浮かび上がらせます。音から物語性を剥ぎ取り、再文脈化することで、音そのものの本質が露わになり、構造と偶発、制御と減衰の微妙な均衡を描き出します。
2000年代半ばにアメリカのand/OARからデビューして以降、Room40、KOMPAKT、Anjunachillといった国際的なレーベルから多数のアルバムを発表し、批評的にも高い評価を得てきました。代表作には『Suisei』(and/OAR, 2007)、『Ray』(Serein, 2020)、『1982』(Room40, 2024)などがあり、日本のアンビエントの伝統と現代のサウンドアートをつなぐ重要な声のひとつとして位置づけられています。また、坂本龍一によるcommmonsの『Tribute to Ryuichi Sakamoto: Micro Ambient Music』など世界各国のコンピレーションにも参加しています。彼は世界中のミュージシャンたちとコラボレーションを重ね、これまでにサウンドアーティストのFrancisco Lopezやヴァージニア・コモンウェルス大学教授のStephen Vitiello、音楽家/ヴィジュアルアーティストのRobert Lippok、作曲家のScanner (Robin Rimbaud)、小久保隆といった、多様なジャンルのアーティストとのコラボレーション作品も発表しています。最新作は、Field Recordsの《Waterworks》シリーズの完結編となる『Kiso Three Rivers』であり、日蘭両国の治水技術の対話を軸に、音、風景、インフラの相互関係を探求しています。日本の河川工学を主題にしつつ、オランダの水利設計との関係性を通して制作されたこの作品は、2025年大阪万博のオランダ館で初めて公開されました。
また、スタジオワークにとどまらず、美術館、ギャラリー、公共空間などでのサウンドインスタレーションやサイトスペシフィックなパフォーマンスも展開しており、その実践は芸術、デザイン、科学の分野を横断します。主な国際展/フェスティヴァルに、"Störung Festival (バルセロナ)"、"res·o·nant (ベルリン・ユダヤ博物館)"、"Audiosphere (マドリード・ソフィア王妃芸術センター)"、"Tribute to RYUICHI SAKAMOTO Micro Ambient Music Festival" (NTTインターコミュニケーション・センター[ICC])など多岐に渡ります。これまでに武蔵野美術大学、立教大学でサウンドアートの教鞭を執り、慶應義塾大学(SFC)や早稲田大学でのレクチャーや音環境デザインの技術会議などにも招かれています。国内外の映画/舞台/映像音楽、プロダクトや空間など、サウンドに関わる幅広いプロジェクトを手掛けるほか、都市/建築空間における環境デザインとしてのサウンドUXのプロデュース/クリエイティブディレクションなど、従来の音楽家の枠を超えた活動を展開しています。SHISEIDO Beauty Squareにて実装された、リアルタイムの気象情報と建築内部のアクティビティに応じて変化し続ける、カスタムメイドスピーカーシステムによるマルチチャンネル立体音響の環境音楽生成システム「sound garden」はマシュー・ハーバートが審査員長を務めるイギリスのSound of the Year Awards 2021にてBEST SOUND INNOVATION IN EVERYDAY LIFE部門のHIGHLY COMMENDEDを受賞。その他、これまでの主な受賞に、Spikes Asia、AD STARS、ADFEST、日本空間デザイン賞2025などがあります。
さらに、彼はより多面的な創作を目指して、建築、デザイン、サウンド、サイエンス、エンジニアリングなど、異なる専門性をもつメンバーで構成されるアートコレクティブ「nor」を設立し、近年では、MUTEK.JP、NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]、光点国際新媒体芸術祭FLARE (上海)など、国際的なフェスティバルや美術館で作品を発表しています。主な受賞に、第22回文化庁メディア芸術祭アート部門、"PRESENT FUTURE Art & Technology Star Award 2019"など。
●主な受賞
日本空間デザイン賞 2025 | Entertainment space:Silver
The 29th ifva Awards | Media Art Category Special Mention
農林水産省 EAT! MEET! JAPAN prize 2023
German Record Critics’ Award 2023 | Electronic and Experimental
Sound of the Year Awards 2021 | BEST SOUND INNOVATION IN EVERYDAY LIFE
ADFEST 2019 | MEDIA LOTUS: BEST USE OF AUDIO_SILVER
ADFEST 2019 | AUDIO LOTUS:USE OF AUDIO SUB-CATEGORY_BRONZE
New York Festivals 2019 | AUDIO/RADIO:Best Use of Medium_Finalist Certificate
PRESENT FUTURE Art & Technology Star Award 2019 : Installation Star Award
第22回文化庁メディア芸術祭 | アート部門 : Jury Selections prize
Spikes Asia 2018 | Radio & Audio : Silver Spike
AD STARS 2018 | Data Insights : Crystal
ALIFE 2018 | ALife Art Award : Honorable Mention prize
●主なメディア (TV/雑誌)
『The Wire』(イギリス)2020年4月
『NHK world DESIGN TALKS plus』(日本) 2019年1月
『AXIS Magazine』(日本) 2018年10月
『サウンド&レコーディング・マガジン』(日本) 2018年2月
『The Quietus』(イギリス)2017年1月
『テレビ朝日 お願いランキング』(日本) 2016年12月
『The Wire』(イギリス)2016年8月
『BLOW UP』(イタリア) 2015年11月
『RECORD COLLECTOR』(イギリス)2012年2月
『DE:BUG』(ドイツ)2011年1月
『裏アンビエント・ミュージック 1960-2010』(日本) 2010年7月