yui onodera / SYNERGETICS
DRONE RECORDS (Germany) 2007 EP
Recorded & composed in Tokyo, 2006.
photography
and cover design by yui onodera.
All sound sources from guitar and piano.
■ Track List
synergetics #1 5:58min
synergetics #2 5:00min
Synergetics #1 by yui onodera
■ REVIEWS
A面はギターをサンプルに、B面はピアノをサンプルに使用したとの事だが、その事を音を聴いただけですぐに判別するのは難しい。コンピューターで何度もプロセッシングされ、まったく原形がなくなってしまった楽器の音は、"それでも"ではなく、"それゆえ"に美しい。音を加工して、別のものに変えてしまいたいという欲望は社会学的な概念の”世界”に少しでも近づきたいという表れだと思う。何重にも重ねられたドローンのさらに奥底にある世界の調べとも言うべき音こそが、このレコードの核心だろう。
chihei hatakeyama
and/OARからの2枚組CDも控える小野寺唯の新作が、独の7インチ・レーベルDrone Recordsからリリース。彼を知らずに、この緊張に支えられた酩酊のドローン・コンポジションを聴けば、これが日本のアーティストの作品であることを見極めるのは難しいだろう。「作品を作りたいという欲求が強い、その作品は音楽でなくても構わない」と言う彼が、私淑するバックミンスター・フラーにその名を借りた自身のレーベルCRITICAL
PATHから発表した作品が、そのわずかな流通量にもかかわらず、いくつかのリリース・オファーに繋がっていると聞いた。小野寺自身がデザインを手掛けたパッケージに収められたこの水色のディスクもその一枚。良質な作品が確かな耳を通じて世に出る事を喜びたい。
Hideho Takemasa (Trumn)
針を落とした瞬間から、す~っと意識の奥の方へと導かれる。レコードの回転を見つめていると、さらに催眠度がアップし、いつの間にか注意深く音を拾っている自分がいる。細部まで音がクリアに聴こえ、なんだかとっても耳が良くなった気分。聴こえてくるのはピアノの断片や、細かいビブラートだったり、無限の音が交差しては消えてゆく・・。二度と同じ瞬間が訪れないような気がして逆に永遠を意識させられる。さらに音の調和や響きも美しいので、まさに至福の旅。人生はよく川の流れに例えられるが、こんな流れにのっていきたい。このような作品が、ひっそりと東京で作られ、遠い独からリリースされたことをとっても嬉しく思う。
mondii (SPEKK)
アナログEPの音の良さを再認識、そしてわかった。これは新しい音楽と古くて優れたテクノロジーの稀有な出会いの頒布。yui onodera氏は、音の中で情感を扱う術と明確なプロデュースの視点を持ったアーティスト。この"SYNERGETICS"は音の練り込みと織り上げが丁寧で、クオリティの高さと共に繊細な表情の変化を味わえる。特にふと郷愁のようなものが訪れるところは格別だ。盤面も美しい。
tamaru
頭の中に浮かび上がるのは残響の中に佇む鳥のような生き物のイメージ。いまにも羽ばたきそうな姿がスローモーションで何度もリフレインされる。その生き物は飛び立つことができたのだろうか。
Shinichiro Okuyama (Cherry Music)